ドイツの政治教育について(1)【主権者教育講座】

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ドイツの政治教育について 西野偉彦氏 講演

昨年、公職選挙法が改正され、2016年夏の参議院選挙から18歳の若者にも選挙権が与えられます。

若い世代の投票率が低いことも指摘されており、いま主権者教育の整備が求められています。

すでに諸外国では、主権者教育が実施されていますが、今回は特に主権者教育の先進国のドイツにスポットをあてて紹介します。

 

主権者教育を取り巻くドイツの状況

日本は先進国中でも特に高齢化率が高いですが、迫る勢いで高齢化が進んでいるのがドイツです。
ドイツでも、若い世代の声をどのように政策に反映させていくのかが大きな問題になっています。
高齢化

 

各国で選挙の仕組みなどが異なるので投票率については一概に比較することは出来ませんが、それでもドイツの若者の投票率は著しく高いのが特徴です。

若者の投票率

 

日本はグラフは2012年の衆議院選挙のものですが、そのドイツとの差は20ポイント以上となっています。
同様に高齢化が進む両国ですが、若者投票率の差は歴然としています。

そこで若者の投票率をアップするヒントを得るためにも、ドイツの取り組みを紹介していきます。

 

連邦政治教育センターの取り組み

連邦政治教育センターは、ボンとベルリンに部署があり 政治教育を専門に行う連邦の施設です。
主に、政治教育の教材作りに取り組んでいる組織で、その教材が、全国の学校に配布されています。

教材の内容としては政治教育を念頭に、まず第一に「授業における決断」をテーマとしています。
日常生活の中で生徒が決断を行う場合、どのようにすればよいか社会的な事例で説明しています。
具体的には、過激な思想を持つ人との付き合い方・接し方などを、シミュレーションで考え・議論を行うプログラムになっています。

また投票マッチングのサービスを提供しています。
投票マッチングサービスとは、様々な政策と自分の考え方がどのようにマッチしているのかの整理の仕方を説明するサービスです。
WEBや紙媒体で提供されています。

マッチング

 

U18(模擬選挙)の実施

U18とは、連邦・州レベルの選挙の9日前に、選挙権を持たない18歳未満の若者が行う模擬選挙のことです。
この模擬選挙は、日本でも注目されています。
特徴的なのがその教材作りです。
生徒自身がEUの問題を自分で学び、教材を生徒自身が作っていくようになっています。

生徒自身が、実際のEUの課題に対応するため模擬政党を つくり、リアリティを持った議論を展開して行きます。
さらに、オンライン番組をつくり選挙結果を公開していくことをしています。
多くの生徒の関心を得るために生徒自身が投票箱の制作します。

投票箱

このような、生徒主体的取り組みが非常に特徴です。

 

ドイツの政治教育の三原則

ドイツの政治教育に際して、非常に重要なのが「ボイテルスバッハ・コンセンサス」と呼ばれている3つの方針です。

1.教員は性との判断を妨げてはならない

教員の考えで生徒の考えを圧倒してはいけないということです。

2.政治・学問において見解が議論の対象となっている場合は、その状況をありのままに授業でも扱う

論争がある場合一つの考え方だけを押し付けるようなことをしてはいけないということです。

3.生徒が関心に基づいて政治に参加できるように必要亜能力や知識の獲得を促す

生徒の関心をベースにした授業を展開していくということです

ドイツでは1970年代にこの3原則を設定し、政治教育を進めています。
この三原則があればこそ教員は安心して政治教育を実施できる、重要な方針なのです。

 

まとめ

日本でも18歳選挙権の実施を受け、国や学校で取り組まなければいけないことは山のようにあります。
その際には以下の3つが重要です。

国として、「政治教育の原則」を作る

教育基本法の第14条に政治教育がありますが、政治的中立性とは何で、何をもって担保するかは明確になっていません。
そのため日本でも原則を作りることが求められます。
このような原則があれば教員が安心して教育を実施できます。

「生徒が主体」の授業を目指す

U18のように、生徒自身が自らの発想でプログラムを考えていくような授業を目指す必要があります

選挙だけでなく日常の判断にも生かしていく

選挙に限らず日常でも政治的な事柄に係る機会も多くあります。
そのような機会にも行かせるような教育を実施していくことが重要になります。

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