アメリカの主権者教育(1)~投票の罠と争点教育~【主権者教育講座】

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アメリカの主権者教育(1)~投票の罠と争点教育~ 川上和久研究所 所長 講演

投票の罠とは

投票の罠とはいったい何でしょう?
例えば学校で先生が小学生に、
(1)アイスクリーム と聞けば「賛成!」
(2)宿題 と聞けば「反対!」
(3)休み時間 と聞けば「賛成!」
と答えることでしょう。

すると先生が
(1)アイスクリームと言ってもそれはニンニク入りですよ
(2)週末の宿題はなくしましょう
(3)休み時間は腹筋を訓練する時間にしましょう
と説明すると、小学生は「え~」と言うはずです。

つまり、「表面的な情報に流されて投票してしまううとひどい目に合いますよ!」「だまされてはいけませんよ!」と子どもの時から教育することが大切なのです。

正しい情報を収集するというのはどういうことか、センセーショナリズムに踊らさずにかしこい投票者になりましょうという教育を実施しているのです。

 

アメリカの争点教育

アメリカの中学校・高校では争点教育をとても大切にします。

争点教育では、まず第一に、時事的なテーマを取り上げます。
第二に、具体的な争点を議論するとき、賛成か反対かの立場をはっきりさせます。
そして第三に、マスメディアを活用します。子供用のニュースやデータベースもあります。

色々な情報を集めて自分たちの意見を戦わせる「ディベート」の文化、議論の文化がアメリカでは育っています。

 

アメリカ大統領選と模擬投票

アメリカで行われる大統領選挙は、主権者教育の最大の場となっています。

キッズ投票(kids Voting)という、学校を主体にした模擬投票が行われており、前回大統領選では約700万人が参加しました。
子どもたち自身の判断による投票で、実際の選挙と同じようにパーティションで投票用紙に記入し投票箱に投票します。

また、スクラスティック という出版社による模擬投票も非常に有名です。
1940年以来、大統領選のたびに社会学習の一環として子ども模擬投票が実施されています。
そしてなんと、実際の大統領選の勝者と、模擬投票の勝者は1948年と1960年以外は、一致しているのです。
極めて精度の高い模擬投票なのです。

例えば2012年の模擬投票では、8月15日から10月10日にかけて実施され、全米の小・中・高校生約25万人が参加しました。
オバマ氏51%、ロムニー氏45%でオバマ氏が勝利したと10月18日に発表しました。
そして実際の選挙では、オバマ氏51%、ロムニー氏47%でオバマ氏が再選しています。

つまり2012年の模擬投票では、実際の結果と子供の模擬投票の結果が一致しているのです。

これは、家庭や学校での子供への主権者教育で、大人と同じような判断基準を持つようになったことを示しています。
アメリカでは大人が子供にも政治の話をよくする傾向があるという特徴もあります。

このように模擬投票は、判断基準を持った主権者の育成につながっていると言えると思います。

アメリカでは実際の選挙を、子供の時から自分のこととして考えることが根付いているといえるのではないでしょうか。

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